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冲方丁さんの「十二人の死にたいこどもたち」読みました!
いや、面白かったですよ!
面白いというとテーマ的に語弊があるかもしれませんが、久々に面白いミステリーを読んだ気がします。
内容的にネタバレもあれなんであんま詳しくは書けないですし、冲方さんの他の作品は読んだことないので比較できないですが…。
勿論ちょっとご都合主義というか、出来すぎだな〜的な部分もあるし、例えば出てくるのが全部子供なのに、こんな冷静に解決とか話し合いとか出来る!?みたいな(^^ゞ…でも、死にたいと思い詰めて集った理由が、それぞれ子供だからこその切実な思いだったりするので(親のエゴで抑圧されてたりだとか)、ちょろっと見た読書メーターのレビューなんかで、出てくるのが子供だけじゃなくてもとか不自然だとかは思わなかったですね。
とは言えなにしろ登場人物が多いですし、最初に色々と立てたフラグを回収するのに物理的な位置関係とかを理解するのはハッキリ言って難しいし面倒ですw
後半、次第にそれぞれの抱えている事情が明かされフラグ回収されてく度に、「え?そうだったの?」「ちょっと待ってそれってどうだっけ?」みたいにイチイチ遡って確かめたい気もするけど、それよりも「え、それで?」「それがどう繋がるの??」と先を読み進めたくなる感じでした(なんで私は細かい所を自分で確認したり検証するのは止めましたw)
それ位後半はグイグイと引き込まれる勢いがあると思います。
まぁ、十二人の子供達のそれぞれの人物設定や事情、背景はなんとなく分かり易い感じ=薄っぺらいってなっちゃうかもしれないけど…でも一見金魚のフン的に強者に阿る人畜無害に見える様な子が実は1番厄介なヤツだったり、なんも分かってない頭空っぽそうな子が実はなかなか物事の本質をついてたり…ってトコもあって面白かったな。
生きること、あるいは死ぬことを自分で選択できる尊厳、それぞれに真実と正解があって、自分を肯定することそれは取りも直さず他者をも肯定すること。
色々難しいことですけど…私はかつてママを看病している間本当にしんどかったし、亡くなった後は虚無で、そして今自分が病気と向き合うことになって、別に死にたくないとは思わないし積極的に死にたいとは思わないけど、死んだらあるいは死んだ方がラクなのになって思ったことが絶対に!1度も!ないとは言わない。
でも人生ってきっと、楽しい事嬉しい事、喜ぶこと、よりも多分キツかったり悲しかったりつまんなかったり苦しかったり、そんなことの方がほんのちょっと多いんだと思うんだ。
だからそれをどこで折り合いをつけて生きていくかってことなんだけど、それこそその折り合いを付ける点は人それぞれだからねぇ…。
あと、とある子の考え方がどうしても理解し難い物として1つあるんだけど、それ読んでて以前読んだ村田沙耶香さんの「殺人出産」を思い出しました。
なんて言うか、間違ってはいない、正論と言えば正論なんだけど極論過ぎる、みたいなね。
勿論それは皮肉な訳だけれども、なんかちょっと近い物があるなと。
そうだなぁ〜、ああいう細かい所で色々あると文章だけでの描写はどうしても弛みがちというか読むのが嫌になってしまう方も多いだろうから、どっちかというと映像向きかもしれない。
そしてもし映像化するなら、セイゴ役はふーちゃんでどうでしょう?w
ちょっと年くっちゃってるけど、イメージ的にはすごい合うと思うなぁ(o´ω`o)