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猫がテーマの話だけど

2020.02.16 Sunday | 02:49

唯川恵さん「みちづれの猫」読みました。

 

それぞれの人生で寄り添った猫とのお話だけど、どちらかというと人間の側の『老い』とか『死』が実はテーマなのかな?って思えるようなお話ばかりでした。

当たり前だけど、猫の寿命の方が人間より短くて見送ることが多いと思うんだけど、私くらいの年齢になってくると病気とかもあるし残していく可能性を考えると一緒に暮らすことが難しくなってくるよね。

「祭りの夜に」と「最期の伝言」の2つがどこか切なくも暖かくて、とても好きなお話でした!

 


何とも言えない

2020.02.06 Thursday | 15:16

真梨幸子さん「三匹の子豚」読みました。

 

役所から突如届いた、見ず知らずの叔母の扶養義務の手紙。人生の絶頂にいると思っていた売れっ子脚本家・亜樹の目の前に、不吉な黒い点が広がっていく-

 

これねぇ、どんなジャンルって言えばいいんだろ?

なんか説明が難しい…突き詰めて言えば人間の欲望とか執着とか?怖いって話だからホラー??(^^ゞ

でも最初は所謂毒親?で共依存な歪でゆがんだ母娘関係の話かと思ってたんだけど(ミュンヒハウゼン症候群とか出てくるから)、それだけでもなくてっていうかなんかだんだん違うな〜?ってなってきて、結局のところ復讐なの??みたいな(^^ゞ

とにかく登場人物が多い上に、それが結局全部実は血縁とか婚姻関係があって、しかも近親相姦的なことばかりで(*´з`)

近親相姦ってほんっと無理なんだよねー、私。

つかいくら別々に養子に出されて名字が変わってるっていっても、普通血縁関係があったら気が付かないかなぁ?

まぁそれは置いておいても最後の方でちょろっと相関図が出てくるけど、それが無かったら本当にわけわかんないw

それくらい登場人物も関係も時系列も視点もごちゃごちゃしていて、でも実はそれ1つの家系だけの話で、で、結局何が言いたいの??みたいな(^^ゞ

そういう漠然と混沌としたものを書きたかったと言われれば、まぁはあ〜そうですかって感じだけど。

 

それにしても、本当にこんな人ばっかりいる!?って感じ。

いやまぁ現実問題、理解出来ない思考回路の人もたくさんいるけどさ。

子供産んでも自分が1番というか自分しか大事じゃなくて、子供は邪魔、もしくは自分を引き立てる為あるいは利用する為の道具でしかないの。

そんな親に育てられたらそりゃその子供だってまともに育つわけないし、だから出てくる人全員どうしようもなくて歪んでて、まともな人なんか1人もいやしないっていう。

これ読んでると、こういった負の連鎖って本当に断ち切るのって難しいんだなぁって思う。

いい加減大人になれば自分と親を客観的に見てそこから離れるなりなんなりすればいいじゃんって思うけど。

実際物心つかない頃から刷り込みみたいにして育てられると、そう簡単なことじゃないんだなぁって。

ウチの母親ももし存命だったら、もしかして共依存になってたかもしれないけど少なくとも子供に愛情はあった人だからなぁ。

例えば美味しいステーキ肉を4人家族で7枚いただいたとすると、うちの母は、父と子供(私と兄)に2枚ずつ、自分は1枚でって人だったから。

反対にそれが例えば珍しいチョコで受け取ったのがもし父だった場合、何も言わなければ自分で全部食べちゃう人だったけどねwww

まぁとにかく私は少なくとも片方はまともな親に育てられて良かったと思うよ。

 

なんかほんと説明しずらいし読んでてキモチワルクなるというか気分良くなる話でもないし逆に怖くて面白いとかでもないし…何とも言えない話だった(^^ゞ


文句ナシ!

2020.02.02 Sunday | 01:53

「パラサイト」観てきましたー!

 

家族全員が仕事もなく『半地下』住宅(半地下って初めて見たけど、本来は人が暮らすようじゃなくて倉庫みたいな感じで作られててでも普通の部屋はお金無いから借りられなくて…みたいなのが始まりで、そこに住んでるのも本当は違法なんだけどみんな黙認してるって感じなのかな?)で暮らす貧しいキム一家。

 

ある日長男のギウは友人から高台の豪邸で暮らす裕福なパク一家の娘の家庭教師(英語)の仕事を、その友人が留学する為代理として紹介され職にありつける。

それをキッカケに策を練って、まず妹がパク一家の息子(弟)の家庭教師(絵画)に、そして一家の主・一流企業の社長であるパク氏の運転手とパク一家が住む以前からその豪邸に勤めている家政婦をハメて辞めさせて、それぞれ父と母が成り代わりまんまと全員が裕福な一家に潜り込んで(住み込みではないけど)パラサイトすることに成功。

(この『パラサイト』とは、今作では『就職先』としてるけど本来の意味では寄生虫で、その意味も含めてかと。もちろん労働の対価として金銭を得ているから何もしてないのに何かをもらっているとかではないけど、学歴や身分を偽って他人を装ってる=つまりパク一家を騙している訳だし、その報酬は過分ですからね)

パク一家が息子の誕生日を祝う為キャンプに出掛けた日、キム一家は豪邸で我が物顔で寛ぐ。

ところがそこへ辞めさせた前の家政婦が現れー

 

ってこれ以上はネタバレなんで止めときます(^^ゞ

まぁ個人的には結末を知っててもジューブン楽しめるとは思うんですが。

ヒントを挙げるとすれば、フライヤーやポスター?に2家族以外に映り込んでいる足、とだけw

 

とにかく!いやぁ、文句なし、面白いです!!^^

まぁポン・ジュノ監督×ソン・ガンホっていう時点で面白くない訳がないですけどねw

ただ、この作品がポン・ジュノ監督、あるいはソン・ガンホの最高傑作かといえばそうでもないとは思いますけど(^^ゞ

昨今宣伝の為に公式サイトやなんかで一足早く観た著名人のコメントを載せるのはいいんだけど、やたらと絶賛に次ぐ絶賛、史上最高傑作的なことを言いすぎるのはどうかと思うよ、ほんと止めていただきたい。

なんでもかんでも傑作だの史上最高だの、言葉の重みがなくなるし嘘くさくなってしまうからw

誤解がないように言っておくと、本当に面白いんです。

例えば本当に『半地下』暮らしている今日の食事にも困るほどの貧困にあえぐ家族と、片や使用人がいて何不自由ない裕福でセレブな家族、韓国の格差がここまでスゴイのか、という所なんかはポン・ジュノ監督の鋭い社会風刺で今までの作品とも通じる部分だし、最後の意外といえば意外な怒涛の展開もちょっとしたミステリーというかホラーなんだけど面白くて笑えるのよ、わりと終始。

だからものすごいエンターテインメントな作品だと思う。

エンターテインメントの『映画』としての、ある意味というか1つのこれ以上ない満点な正解。

ただ、もっとヒリヒリというかビリビリするような、脳天をガツンとやられるような、あるいは観終わってしばらくの間メンタルがやられるような、トラウマになるような、重くて痛くてっていう感じではない(もちろんそれだけがいい作品の条件ではないけど)

あと韓国の映画にしろドラマにしろ、よく坂が出てくるんだよね。

出てくるっていうか街並みが長崎みたいって言えばいいのかなぁ?

今回もキャンプが大雨の所為で中止になって、パク一家が急遽帰宅してきたのでなんとか隠れて高台の豪邸を出て自分達の『半地下』住宅に逃げ帰るシーンがあるんだけど、もう延々と坂(階段、それも結構な角度と長さ!)を降りる訳。

え、まだある?まだ下があるの?みたいな。

まるで夢の国に行く時に京葉線のホームに行くのに延々と地下に降りていく感じ、それか大江戸線とかも確かかなり降りるよね?

それが2つの家族を象徴していてその差がすごいんだけどでも、その差ってどうして?どこから?みたいな…ね。

もちろんキム一家がやったことは犯罪でもあるしダメなんだけど、今の時代何かに躓いたら、一度転んだら、落ちるのは一瞬でそこから這い上がるのには努力だけではどうにもならないこともある…みたいな、一歩間違えたら明日は我が身じゃないけど誰の身にも起こりうることで決して他人事ではないんだということも言いたいんじゃないかなぁ。

 

ま、でも特に何も考えずとも楽しめる作品だと思うし、観て損はないかな?

ソン・ガンホはやっぱり素晴らしくいい俳優さんですね。

あと裕福なパク一家のお母さん役の方、ちょっと天然で可愛らしくて好きだな〜ってどこかで見たことあるな?って思ってたら、わりと好きで見てたドラマ「ロマンスが必要」に出てらした方だった! ^^

それとちょっとサバンナ高橋似な長男ギウ役の方も、どこかで見たと思ったら「新感染〜ファイナルエクスプレス」で印象的な雰囲気ある役だった子だった!

まぁ韓国のは結構色々見てるからね(^^ゞ

 

久々に土曜日に行ったんだけど、映画の日ということもあったしやはり賞レースに絡んでて話題だからなのか、夜とはいえかなり人が入ってたな。

基本ミニシアターだしマイナーな作品の上映が多いので、たまに人気作になると行くタイミングとかすごい考えちゃう(^^ゞ

自分の体力の問題もあるし(最近仕事忙しくてバテバテなので(*´з`))

でも昨年あんまり劇場で観られなくて自分的に不本意だったから、今年はもうちょっと足を運びたい!と思っててとりあえず、2020年1本目、いい作品でスタートが切れた!


Pay it forward

2020.01.28 Tuesday | 17:00

友井羊さん「ボランティアバスで行こう!」読みました。

 

東北で大地震が発生した。災害ボランティアバスを企画した大学生、教え子の弔いに向かう元教師、人助けに燃える女子高生、警察に追われる謎の男など、さまざまな人がそれぞれの思惑を持ってバスに乗り合わせ…。

 

昨年読んだ友井さんの「無実の君が裁かれる理由」がわりと良かったので、他のも読んでみようと思って、これで3冊目になりますね!

で、その3冊の中では今回の作品が1番好きです^ ^

友井さんの作品の中でも評判が良いのも分かります!

 

内容紹介でちょこっと事件?が絡んだ感じもしますが、全体的にはあまりそういった事件とか推理とかミステリーとかではなく、様々な事情を抱えてボランティアバスに乗り合わせた人達と、災害ボランティアについての話。

私もボランティア行きたいけど、私なんかが行って本当に役に立つのだろうか?とか思って躊躇して結局何も出来なかったクチで、あと本当の意味での支援というもの、被災された方々の時間経過による支援の仕方の変化とか、分かっているようで分かっていなかったことが少しでも知られて良かった!

ただ、ミステリーとか事件ではないけどコレ、絶対ネタバレせずに読んだ方がいいのでこれ以上は難しいな(^^ゞ

というのもそれぞれの人物に焦点を当てた各章の微妙な伏線を最後の章で一気に見事に回収していて、うわーヤラれた!感があってw

まぁちゃんと注意深く描写を読んでいれば気付けたりもしたかもしれないけど(時系列のこととか)わざとハッキリとは書いてないこともあって、ちょっとそれはズルイわ〜ってことも無きにしも非ず(笑)

でもこういった最後にどんでん返しじゃないけど、えーそうだったんだ!的なオチがあると、なんていうか作者の「どう?驚いたでしょ?」感とかドヤァッ!感がえげつなくてかえってツマンナイwって思っちゃうことも多々あるんだけど、この作品にはそういった厭らしさがなくてとにかく全体的に爽やかな読後感です!

 

災害のこと、被災者や被災地域のこと、ボランティアのこと、片隅でも気になっている方はこれ読んでみるといいかな?

それと受けた親切や恩、愛情、好意、そういった物を相手に返す、返したいと思うのが普通でそれももちろんそうなんだけど、ボランティアは(それだけじゃないけど)、それをまた違う相手に渡すということ。

「誰かを思う気持ちは、回りまわっていく。それはいつか、自分や周囲の人たちに返ってくる。甘い考えなのだろうけど、沙月はそう信じたかった。そして自分のところに戻ってきた恩は、ふたたび別の誰かに送るのだ。誰かを助けるということは多分、そういうことなのだと思う。」

私が座右の銘にしてる言葉が「過ぎたるは及ばざるがごとし」とあともう1つ「情けは人の為ならず」なんだけど、まさにこれだなぁと。

実は15周年を迎えた東方神起のアルバムに収録され、ライブでも最後に歌われた曲が「Pay it forward」

これも同じ意味なんだよね。

『Pay back(その相手に返す)』ではなく『Pay it forward(次の、別の誰かに渡す)』そうして『繋いでいく』ことなんですよね。

今回偶然だけど、近い時期に同じ意味の言葉を聴いたり読んだりしたのは、なにか今の私にとって深く意味のあることなのかもしれないなぁと感じました。

 

最後に、ネタバレになるので畳んでおきますが(読まれてなくてこれから読むつもりで、それでもネタバレ大丈夫な方は是非どうぞw)どうしてもちょっと一言言いたかったのでw


となりの国のものがたり

2020.01.26 Sunday | 18:13

キム・エランさん(訳:古川綾子さん)「外は夏」読みました。

 

いつのまにか失われた恋人への思い、愛犬との別れ、消えゆく千の言語を収めた奇妙な博物館…。韓国文学の旗手が「喪失」をテーマに紡いだ短編集。

 

別に東方神起が好き=韓国が好き、だからそれを選んでわざわざ観る、というのではなく単純に「面白そう!」とか興味がある内容なので韓国映画は結構観てる方だと思うのですが、本の方は何気に初めてかもしれない。

内容紹介には無かったけどまだ幼い息子や夫との物理的な別れ=死という喪失を扱ったお話もあって。

 

「立冬」という作品は幼い息子を失った夫婦の話で。

今でこそさすがにこの年齢になれば身近な人を亡くすという経験は私の周りでもそう珍しくもないけど、私が母を亡くした時はまだまだ若く、友人達の中でもそういう経験をしてる人はほとんど居なくて。

だからこの作品の中に書かれているようなことを実感して、辛かったことを思い出した。

例えば1番身近で大切な人を失って、その辛さや悲しみの深さは失った本人にしか分からないし、その辛さや悲しみが癒えるのには時間がかかるのも当たり前なのに、関係のない人からしてみたら「いつまで泣いてんの?」ってなるんだよ、それがたとえ善意から励ましの意味で言ってるとしても、それは深い悲しみの底に沈んでいる人に対して鞭打つ行為、石を投げる行為にしかならない。

「まだ生きている人間に向かって悪意をこめて投げ入れた菊の花みたいだった」って表現があるんだけど、まさにそれだなぁと。

そして「他人(ひと)にはわからない」、同じ経験をした人にしか分からない。

前にも何かで書いたことある気がするけど、当時私は思っていること感じていることを一生懸命伝えようとしてもそれまで仲の良かった友達に理解してもらえなくて、「あれ、私この人と同じ言葉で話してないのかな…?違う国の、違う星の人だったのかな?」って思って打ちのめされて、そのうち理解してもらおうと話すのにも疲れて、結局諦めてしまったから。

もちろん、まったく同じ経験をしたからといって、まったく同じ様に思うとは限らない、だってその人は私じゃないから。

でも経験があればより、その気持ちを想像してあるいは自分に置き換えて、寄り添うことは出来るよね、と思う。

あと「沈黙の未来」という作品は最初ちょっと回りくどい表現で分かりにくかったんだけど、発想自体がとても面白いなぁと思った。

実は『失われていく言語を守る』というのは本当は違う何かの例えというか、かもしれないけどね。

それと「覆い隠す手」ちょっと意味深で不穏な感じも孕みつつ、シンママである主人公の子育てのスタンスがちょっといいなぁと。

息子がちょっとでも(特に精神的に)成長すると、「人間らしくなったわねー」と褒める感じが特に好き。

なんていうか変に天使だなんだと扱わない距離感というかね。

それと「拒絶と喪失の経験をさせるのも子どもに愛情を注ぐと同じぐらい大事な義務なのだと学んだ。この先、子どもが迎え入れる世の中はここと比べ物にならないほど冷酷な場所だろうから。」

これ本当に大事だなあと思う、これが出来てないから挫折やそこから立ち直ることを知らない、中身が大人になれないままの自分さえ良ければいいという人が増えるんだよな、きっと。

そしてそれをちゃんとやってるハズの主人公の息子がそれでも…ってところにうすら寒さというか怖さを感じる。

 

今まで何となく読みにくいんじゃないかなぁ?という先入観であまり読んでこなかったけど、今回読んでみて結局人間の本質的な所は別に国によってそう違う訳じゃないんだなぁと思ったし、結構読みやすいと思った、それは翻訳者によるところも大きいのかもだけど。

最後に冒頭の作者の挨拶がとても良かった。

さっきも書いたけど人は自分が経験してないことは本当には理解できない、それをちゃんを分かった上でこの作品たちを書いたということを正直に書かれていて、さらに学んでいる、想像して寄り添おうとしている、そしてそれにはどういう関係の国の相手であっても差がないと思っている感じが伝わってきたので。

 

また機会があれば他の作品も読んでみようかと思う。


やっぱり

2020.01.26 Sunday | 16:35

村田沙耶香さん「生命式」読みました!

 

人口が急激に減り、人類は滅びるのでは、という不安感が世界を支配する時代。死んだ人間を食べながら、男女が受精相手を探す「生命式」が行われ…。という表題作を含む短〜中編集。

 

私の村田さんの作品の初めましてが「殺人出産」だったのですが、それがとても面白くて好きでして。

表題作の「生命式」は同様の世界観というかさらに発展させた形というか…今とは常識とか価値観?がまったく180度変わった少し未来のお話。

まぁ常識って今でも昔とは真逆とかまるで違うってことは実際いくらでもあるし、その時・時代で変わっていくものだし未来がどう変わるのかなんて分からなくて、本当にこのお話みたいなことが普通になっていてもおかしくない。

し、もっと言えばカニバリズムっていうのは元々あった習慣でもあるし全くないことでもない。

ただ実際には人肉を食べるというのは色々問題がある(倫理的なことではなく病気的な意味でも)らしいですけどね。

話が逸れました。

とにかく現在とはまったく異なる価値観になっている未来の話が、よくそんなこと思いつくなぁって感じで面白くはあるのですが、この表題作にしろ続く「素敵な素材」にしろ、若干グロイというか気分の悪くなる表現があってちょ〜っと苦手かな(^^ゞ

どちらかというとホラーものの映画とかでキッパリ映像になってるのはむしろ全然平気なんだけど、字面だけで自分の脳内で想像する方がかえってアレなのかもしれん(^^ゞ

今回は「パズル」と「孵化」が面白いなぁと思いました。

「パズル」は生命体としての自分に違和感のある主人公が、だからこそどんなに醜くても汚くても生きてるという実感を感じさせる他者を慈しむのだけど、それがだんだんずれてきて最終的には狂気を感じるというかw

「孵化」の方は、ここまで大げさじゃないけど、属しているコミュニティによって(家や学校、職場、SNS上とかね)それぞれ別の顔というか一面があるっていうのは誰でも多かれ少なかれあると思うんだけど、ここまで極端なのはすごいというか…主体性がまったくない、つまり自分がないってことなのかなぁ?

それは周囲と摩擦を起こさないために自分を持たない、適当に周りが望む自分を演じた結果…いや演じてるっていうより使い分けてる、自分でも無意識で。

それがとても最近の風潮というか主流だよね。

だからどんでん返しじゃないけど最後、主人公より相手の方が上手だったんだというのはビックリよりも笑ってしまった。

 

村田さんは2016年の芥川賞を獲られた「コンビニ人間」で知ってる方も多いと思うけど、実は私はまだそちらは読んだことなくて(^^ゞ

どちらかというと他の作品の方がまだ先に読みたいのがあるので多分そっちを先に読むと思いますw

 

 


難しい

2020.01.13 Monday | 03:17

久坂部洋さん「老父よ、帰れ」読みました!

 

認知症専門の開業医の講演会を聞いて、それまでの自分の対応が間違っていたのかもしれないと思い、老人ホームから認知症の父を自宅に引き取った、45歳の好太郎。父の介護に懸命に取り組むが…

 

この好太郎が思い込みが激しいというか思い込んだら一直線!な上に、ちょっとお調子者というか外面がいいとこがあって、その講演会で得た知識を妻や弟に話して、言うことだけは立派なんだけど行動が伴わないってところが多々あって、よくこの人の奥さん喧嘩にならないな?ってちょっとイラつくことが多かったんだけどw

でもそれでも失敗を繰り返してちょっとずつちゃんと理解して出来るようになったり、それもこれもお父さんへの親孝行の気持ちで、それだけでももう十分!いい息子だよとは思う。

 

ただ、認知症は特に家族だから期待しすぎたりする節がどうしてもあるし、実際介護にしても看病にしても綺麗事だけじゃないから、頭では理解してても難しい・出来ない事はいくらでもあって本当にこればっかりは難しい。

突然亡くなるのもキツイけど、先が見えないのも本人はもちろん支える方も本当にシンドイし(>_<)

自分の親が呆けたり動けなくなったりってやっぱりすんなりとは受け入れがたいものだしさ。

 

でも必ず通る道だし、認知症を治すとかあるいは進行を遅らせるとかは多分出来ないんだけど、認知症の人にとって、どういうことをされるのが嫌なのかとかどう対応したらいいのかを知っていたら、介護される方もする方もきっと不幸な関係にならなくて済むのかな?と。

 

私自身は両親とも病気でママは1年と3ヶ月くらい?父は3ヶ月、それぞれ看病してもうすでに見送ってて、幸いというかママはまだ56歳だったし、父は77歳だったけど認知症というのはなくこういった認知症での介護の苦労っていうのは味わっていないんだけど、まぁその大変さはなんとなく分かるよ。

というのも、父は認知症ではないけど元々性格に難ありで普段から話が通じない人だったし(;^ω^)、ママは乳がんが全身の骨に転移した末期だったから絶対安静で24時間のモルヒネの痛み止めに加え抗がん剤の副作用で幻覚・幻聴とかあったから。

 

1番大事なのは本人がどう思うか、まぁ認知症じゃ聞いても分からないかもしれないけど本人がどう感じるだろうか、どうしたいのか、相手の立場に立って考えられるかなんだよね。

例えば好太郎は自宅介護が進む中、お父さんが癌かもしれないってなった時、平均寿命が80歳でお父さんが今75歳、あと5年は生きられるハズなんだから当然検査して、もし癌なら治療なり手術なりを受けて生きるのが当たり前と思っているし、それをしないのは父親の命を放棄してる!と思い込んでるんだけど、死ぬとか生きるとか自分が分からなくなってるお父さんにとっては、多分今嫌なこと(色んな検査とか)をされる方が受け入られない、苦痛なんだよシンプルに。

だったら、検査や治療をしないという選択をする方が、お父さんにとっては幸せかもしれない。

病気を治したい、長生きしてほしい、というのは好太郎自身の希望であって幸せであってエゴである。

それを冒頭の講演会で話した医師に指摘され、そうなのかな?って悩んだ末に検査も治療もしないことにするんだけど。

まぁそれはそれでいいんだと思うけどね、親に長生きして欲しいのなんてエゴだろうとなんだろうとそれは子供にとって本当の気持ちなんだからさ。

介護や看病してるとそういう選択の繰り返し、決断を迫られることの連続なんだよね。

私も自分の選択が正解だったか、いまだに悩むというかどっちにしても後悔がまったく無いってことはないんだろうと思うよ。

まぁ平均寿命なんかより早くに両親とも癌で闘病の末、亡くしてる私としては好太郎が「お父さんはまだ75歳なんだから〜」ってお父さんが感じる不快や苦痛を考えるより、検査や治療を受けさせるのが当たり前でそうしない方がいいと考える弟は人でなしだ!みたいに言うのは無性に腹が立ったけどw

もちろんもっと高齢でも問題なく元気な方もいらっしゃいますが、特にウチのママみたいにまだまだ平均寿命なんかぜんぜん先だっていう若さで亡くなる人もいるのだから。

 

あ、でもちなみに『平均寿命』って実は、その年生まれた赤ん坊の余命の予測だから今生きてる人の寿命の平均ではないんですよね!

つまり2019年に発表された平均寿命は、2019年生まれの子たちの余命の予測で、例えば今70歳の人なら1950年の平均寿命でみないといけないんですって。

これ結構間違って認識してる人多いですよね、多分(;^ω^)

 

とりあえず、これはこれから親の介護が控えている人は1度読んでおくと参考になっていいかもしれないと思います。

 


 

 


思っていたよりは

2020.01.08 Wednesday | 15:19

以前こちらでも感想を書いた「スマホを落としただけなのに」の映画版、TV放送があったので録画しておいて観ました。

 

シンプルに、とにかく成田凌すげぇwww

最近主演された別の映画の宣伝でバラエティー出演されてて、おっとりというか穏やかそう?な感じを見ていたのでとにかくスゲェwと。

映画そのものも思っていたよりは良かった(元々そんな期待してなかったのでw←失礼(^^ゞ)

というのも、本(小説)は書かれていること(描写)を自分の頭の中で自由に想像する余地がある所が、良さであり面白さだと思うんだけど、こうしたきわめて現代的な実際あるツール(スマホ、FB等)が話の肝だと、こうして可視化というか映像になった方がよりリアルに感じるなと観ていて思ったので。

音の有る無しも例えばホラーの要素としては大きいしね!

ただ、細かい所までちゃんと全部覚えている訳ではなかったので、「あれ…こんな話だったかな?」「こんなとこあったっけ…?」と思いつつ(^^ゞ

気になったので後で検索してみたら、原作との違いを比較して丁寧に書いてくださっている方の記事を見付けて。

それで、あぁそうそう原作はそうだった!とか思い出したり、なるほどね〜となったりw

その辺違うのはまぁ別にいいんだけど、ただ北川景子さん演じる麻美の隠したい過去というのをあの設定にしたのがイマイチかなぁ…?

確かに原作のままの理由だと若干弱いというかインパクトというかパンチに欠ける感じかもしれないけど、だからと言って映画版の理由が宣伝の煽り文句にある様な『衝撃の結末(告白?)』っていう程では無い。

だって結構使い古されたネタじゃね?他人の戸籍乗っ取る系ってw

それこそ我らがまさひろちゃんとおけんとが演じた「砂の器」の英良ちゃんもそうだし、東野さんの小説でも確かあったよね、そのパターン?のやつ。

だから予想つきまくりだったし。

映画にするから色々頑張っちゃったんだろうけど、その分構成する要素が1つ1つが薄くなっちゃったっていうか、そういう意味ではもっと単純に「え、そんなことくらいで?」っていう、些細(当人にとっては重要)な理由で人生が破たんするかもしれないっていう恐怖で追い詰められる、っていうのを徹底的に描いた方が良かったのかも?

まぁだいぶ地味な感じになったかもしれないけどね(笑)


似て異なる

2020.01.06 Monday | 17:50

柚木麻子さん「デートクレンジング」読みました。

 

十年間、全てを捧げてきたアイドルグループ「デートクレンジング」が解散し、実花は突然何かに追い立てられるように<婚活>を始める。親友の佐知子は、初めて実花がさらけ出した脆さを前に、大切なことを告げられずにいて…。

 

っていう内容紹介を見て面白そうと思って借りたのだけど、思ってたのとはちょっと違った(^^ゞ

というのも、実花はただのヲタクかと思ってたのにグループのマネージャーだったっていう。

いやもちろんそもそもがドルヲタで根っこの部分は変わってないし、だからこそ自分を見ている気がする…ってところも多々あるw

そうそう!って同感!って部分もたくさんあって。

でもそれでも多分世間から見たら、いつまでも好きなモノだけを追っ掛けてるのなんていい歳してみっともないとか、まぁ一言で言えば『痛い』のかもしれないけど、私は別にまわりにどう思われようと気にしないというか(^^ゞ

そこが実花とは違うなぁ…と。

まぁ実花も最終的には変にもがくのを止めるんだけど、変な価値観というか固定観念というかに縛られちゃうの。

適齢期で結婚するのが“普通”、結婚して初めて社会的に認められる“一人前”、結婚したら次はすぐに“子供”〜みたいなの。

そういうのって無意識かつ根強く蔓延る強迫観念、多様性だの個性が大事だの声高に言うわりに、結局みんな同じ様に同じ物に飛びつくし。

大体、自分の人生、辛い事や苦しい事、悲しいことがあった時に誰も代わってくれないのと同じで、幸せだとか居心地がいいだとかも自分だけのものって言うか自分の人生だから、他人にどうこう言われる筋合いのものではないし他人の目や気持ちを優先して、誰かの価値観で生きるのは違うと思うんだよな。

まぁそうは言っても私自身特にちゃんと人生設計を立ててきた訳じゃないけどさ(^^ゞ

実花もそうだし実花を<婚活>に引きずり込む芝田さんも、一人じゃ生きていけないんだよってだから急いで相手を探しなさいよって目に見えないプレッシャーでそういう風になったりするんだけど、そもそも一人でも生きていけるっていうのがまずあって、その上で誰かと一緒だったらもっと楽しいっていう方がいいというか大事なんじゃないかな?

ちょっと話ずれたけど。

作中で「時間を止めることの出来る人は、アイドルだと思ってる」っていう実花の台詞があって、ちゃんと理解というか続けて読むと、私が捉えたのとは本当は多分ちょっと違うんだろうと思うけど、言い得て妙だなぁと思った。

アイドルに限らずだけど何かを好きでそれに対して気持ちを注いで夢中になってると、多分周囲とは時間の進みが違ってくるというかw

それが「時間を止める」っていうことに繋がる気がして(^^ゞ

あと佐知子が元々栄養士で旦那さんの勤めてた会社の社食で働いてて、結婚後辞めて今はお義母さんのやっている喫茶店を手伝っている、という設定なのでちょいちょい料理や食べ物の描写が出てくるんだけどそれがなんか妙に美味しそうで軽い飯テロw

そしてこのお義母さんがとても素敵な人なんだよ〜!

こんな素敵な人いるかな〜ってくらいw

でも、私も将来こういう人になりたいな〜と思います。

で、散々書いてきましたが、別にただのドルヲタの話という訳では無く(それもあるけど)女の友情の話です!

柚木さん、ホントこういうの上手いな〜って感じでした(笑)

 


2019年読書録

2020.01.02 Thursday | 00:51

たくさんあるので敬称略ですみません!

 

森見登美彦 「熱帯」

重松清 「木曜日の子ども」

米澤穂信 「本と鍵の季節」

吉田篤弘 「月とコーヒー」

五十嵐貴久 「マーダーハウス」

レイ・ブラッドペリ 「華氏451度」

新章文子 「名も知らぬ夫」

峰守ひろかず 「新宿もののけ図書館利用案内」

谷瑞穂 「めぐり逢いサンドイッチ」

宮西真冬 「友達未遂」

坂木司 「鶏小説集」

三浦しをん 「ののはな通信」

貫井徳郎 「私に似た人」

似鳥鶏 「そこにいるのに」

深木章子 「鬼畜の家」

似鳥鶏 「育休刑事」

西村健 「目撃」

今村夏子 「むらさきのスカートの女」

中島京子 「夢見る帝国図書館」

月村了衛 「悪の五輪」

ウィリアム・シェイクスピア(松岡和子翻訳) 「ハムレット」

山田詠美 「つみびと」

野中柊 「猫をおくる」

安田依央 「ひと喰い介護」

五十嵐貴久 「愛してるって言えなくたって」

金原ひとみ 「アタラクシア」

友井羊 「無実の君が裁かれる理由」

五十嵐貴久 「アンサーゲーム」

澤村伊智 「ファミリーランド」

道尾秀介 「いけない」

染井為人 「震える天秤」

友井羊 「スイーツレシピで謎解きを」

 

あとこれは年末に読んで、まだここで感想書いてないのですが

 

柚木麻子 「デートクレンジング」

 

以上が2019年に読んだ本ですが、ここに感想書いてなくて忘れちゃったのもあるので、これで全部ではないです(^^ゞ

まぁ今年は映画観に行けなかった分、本はそこそこ読めたかなぁと思います!

あと映画は甲乙つけ難いというか決めきれなくて書きませんでしたが、本に関してはベスト5を挙げるとしたら、

 

「華氏451度」

「友達未遂」

「木曜日の子ども」

「つみびと」

「ハムレット」

 

になります!

 

2020年も引き続き、色々読みたいと思います!^^

 

 


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